画像処理とは?
ソフトウェアによる画像解析
入退室管理、物体検知、位置特定、測定から識別、認証に至るまで、さまざまな用途に活用されている画像処理。以下では、その定義や役割、仕組みについて解説します。
画像処理の定義&役割
ビジョンシステムによる画像処理の目的は、各種アルゴリズム・手法を利用して画像データを解析し、必要な情報を抽出したうえで、その結果に基づいて作業を自動化することにあります。
画像の前処理
多くのビジョンシステムは、撮影画像を直接処理するのではなく、用途に応じてカメラ側またはホスト側でノイズ除去、輝度補正、コントラスト調整などの前処理を行います。前処理の精度が高いほど、画質は向上し、正確な結果が得られます。
照明
照明は、画像処理の精度を左右する重要な構成機器です。Baslerでは、リングライト、バーライト、フラットドームライト、同軸照明をはじめ、幅広い照明製品を取り揃えています。用途に応じて最適なソリューションをご提案いたしますので、ぜひご相談ください。
カメラキャリブレーション
カメラを測定装置として使用する場合は、以下の2種類のキャリブレーションを行う必要があります。
幾何学的キャリブレーション:レンズ収差の補正、カメラ座標系(ピクセル)から世界座標系(ミリメートル、インチなど)への変換
カラーキャリブレーション:色再現性の確保
主な画像処理手法
次に、用途ごとの画像処理手法について詳しく見ていきましょう。
位置特定
複数の対象物を比較しながら、事前に定義したテンプレートに類似または合致する部分を検出し、それぞれの位置を特定する手法です。テンプレートには、エッジや形状などの幾何学的情報を含めることができます。正規化相関パターンマッチング、幾何学形状パターンマッチングと呼ばれることもあります。
文字認識
画像処理を利用すれば、複数のテンプレートに基づいて文字認識(OCR)を行い、編集や検索が可能なデータに変換することも可能です。主な用途には、自動ナンバープレート認識(ANPR)などがあります。
画像処理の用途一覧
上記の画像処理手法を上手く組み合わせれば、医療、自動車、保安監視、ロボット、農業をはじめ、幅広い業界のさまざまな作業をサポートできます。
産業用画像処理:インダストリー4.0における活用
今や製造業に必要不可欠となっている産業用画像処理は、インダストリー4.0を推進するうえでも重要な役割を担っています。高画素カメラを搭載したスマートなビジョンシステムを導入し、製造工程に関するリアルタイムなデータを取得すれば、生産の効率化と柔軟性の向上、コスト削減、製品の品質確保につながります。このほか、工程制御やモニタリングの自動化をサポートする技術として、ファクトリーオートメションにおいてもマシンビジョンは大きな威力を発揮します。