3D製品

Time-of-Flightとは?

光の移動時間に基づき、高精度な3D測定を行うTime-of-Flight(ToF)法。この革新的な撮影方式により取得した奥行き情報と2D画像を組み合わせれば、ファクトリーオートメーション、ロボット、物流、医療、無人搬送車などの用途において、さまざまな作業を効率化することができます。以下では、ToFカメラの仕組みや主な用途、今後の課題と可能性について解説します。

ToFカメラの仕組み
撮影中のBasler ToFカメラ

ToFカメラの仕組み

ToFカメラは、内蔵光源、専用レンズ、画像データを保存するセンサー、周辺機器と通信を行うインターフェースで構成されており、対象物に向かってパルス光または連続光を照射し、その光が反射して戻ってくるまでの時間または位相差を測定することで、画素ごとの距離を算出し、奥行き情報として記録します。

ステレオカメラをはじめとする従来の3Dカメラと異なり、ToFカメラは奥行き計算のための複雑なアルゴリズムが必要ありません。また、高速・高精度でありながら、コンパクトで使いやすいなど、優れたコストパフォーマンスも大きな魅力です。しかも、暗い環境下の撮影にも対応しているため、幅広い用途に導入できます。

パルス光 vs 連続光

光の照射方式にかかわらず、ToFカメラは1回の撮影で対象物の奥行き情報を取得し、画素ごとの距離を示す距離画像を生成します。

パルス光を使用する場合は、光が対象物に反射して戻ってくるまでの時間と光本来の移動速度を掛け合わせ、各測定点の距離を算出します。
一方、連続光を使用する場合は、振幅変調した正弦波を照射したうえで、反射光との位相差を検出します。

ToF画像

こちらは、疑似色を使用して奥行きを可視化したToF画像です。青は距離が遠いこと、赤は距離が近いことを示しています。

3Dの奥行き情報と2Dの濃淡画像を取得し、統合することで、このような画像を生成することができます。

ToFカメラの主な用途

物流&梱包

スピードが求められる物流業界では、貨物の梱包から積み込み、寸法測定に至るまで、幅広い作業にToFカメラが活用されています。正確な奥行き情報は、ラベル貼付、積み降ろし作業の監視にも役立っており、倉庫スペースや輸送リソースの有効活用につながっています。

ロボット&ファクトリーオートメーション

物体認識、ピンキング、組み立て、品質管理(破損部品、荷崩れの検知)などの複雑な作業の自動化、周辺情報の収集によるロボットのスマート化・自律化を含め、ロボット、ファクトリーオートメーション用途においてもToFカメラが大きな威力を発揮しています。

映像による患者のモニタリング

医療

患者の非侵襲的モニタリング、手術における患者の正確なポジショニングを可能にするなど、ToFカメラは患者の安全と医療の質の向上に貢献しています。

無人搬送車

無人搬送車にToFカメラを搭載し、リアルタイムな3Dデータを収集すれば、障害物の回避、警告の発出、ルート修正を含め、安全かつ正確なナビゲーションを実現できます。

3Dビジョンの未来を切り拓くToFカメラ

迷光、乱反射、環境光、機械干渉などさまざまな要因を考慮した場合でも、ToFカメラを導入するメリットは、デメリットを大きく上回っています。

また、継続的な改善により安定性・速度・コストパフォーマンスが向上したことに伴い、3Dビジョンの未来を切り拓く技術として、業界内におけるToFカメラの注目度はますます高まっています。

物流の最適化、ロボット作業の支援、医療の向上、無人搬送車の推進などを目的として、機械の自動化・スマート化が求められるなか、シームレスな3D撮影と奥行き情報の取得が可能なToFカメラは、今後も多くの分野にとって欠かせない存在となるでしょう。

Time-of-Flight関連製品

3Dビジョンに関するウェビナー&ホワイトペーパー

インダストリー4.0や幅広い業界に大きなメリットをもたらす3Dビジョン。Baslerでは、Time-of-Flight、レーザー三角測量、ステレオビジョン、構造化光を含め、さまざまな3D技術に関するウェビナーとホワイトペーパーを公開しています。ぜひご覧ください。

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