アディティブ・マニュファクチャリング:限られた設置スペース&厳しい性能要件
3Dプリンターのように材料を積層することで、さまざまな製品の造形・補修を行うアディティブ・マニュファクチャリング(付加製造)。その工程監視や品質管理に使用されるビジョンシステムは、限られた設置スペースの中で厳しい性能要件を満たさなければなりません。
ビジョンシステムによる品質管理
3Dモデルのデータを基に、樹脂や金属などの材料を一層ずつ重ねていくアディティブ・マニュファクチャリングにおいて、光学検査による品質管理は欠かせません。
例えば、レーザー金属堆積法を使用した金属製品の製造工程では、ノズルから噴射される金属粉末をレーザーで溶融させながら、適切かつ正確に積層造形を行うため、ビジョンシステムを使用してメルトプール(溶融池)を監視します。
省スペースに特化したさまざまなビジョンソリューション
ビジョンシステムを使用してメルトプールを監視する場合、省スペースであることはもちろん、高速データ転送によるリアルタイムな撮影も求められます。そこでおすすめなのが、27mm×27mmのコンパクトなボディに加え、幅広いオプションを完備したGigE対応カメラモジュールdart Mです。
今回の用途の場合、ソニー社製PregiusシリーズのIMX287(画素数:VGA、フレームレート:290fps)を搭載したモデルとフレキシブルフラットケーブル(15cm)、インターフェースボードを組み合わせるとよいでしょう。インターフェースボードを別途用意し、柔軟なケーブルで自由に向きを変えることで、狭いスペースにあるメルトプールも問題なく撮影できます。
GigE対応のRJ45ポートを搭載し、PoE(Power over Ethernet)ケーブル1本でカメラモジュールとホスト機器を接続できるなど、最大100mのケーブル長を活かした柔軟な取り回しが可能です。さらに、メルトプールの監視用途では、Sマウントレンズを使用して撮影を行いますが、dart Mであれば、レンズとレンズマウントを追加したとしても、外形寸法29mm×29mm、重量15gに収まるため、設置要件を十分に満たすことができます。
アディティブ・マニュファクチャリングにdart Mを活用するメリット
リアルタイムな撮影により、工程監視、欠陥検知、製造工程の各種調整をサポートするdart Mは、コンパクトなボディで設置スペースを問わないだけでなく、既存の機器をそのまま使用できるため、追加コストの削減においても大きなメリットがあります。
撮影用途、システム構成、設置環境に応じてさまざまなオプションを組み合わせ可能
各種ドライバーとAPIが付属したpylon Software Suiteにより、ハードウェアを素早く簡単にセットアップ
GigEならではの高速データ転送&リアルタイム性
ファクトリーオートメーション、物流、ロボット、医療、電子機器検査をはじめ、複数のカメラを運用する用途にも最適
使用製品
ご紹介したソリューションの導入には、以下の製品が最適です。