活用事例

アディティブ・マニュファクチャリング:限られた設置スペース&厳しい性能要件

3Dプリンターのように材料を積層することで、さまざまな製品の造形・補修を行うアディティブ・マニュファクチャリング(付加製造)。その工程監視や品質管理に使用されるビジョンシステムは、限られた設置スペースの中で厳しい性能要件を満たさなければなりません。

ビジョンシステムによる品質管理

レーザー金属堆積法を使用したアディティブ・マニュファクチャリング
レーザー金属堆積法を使用したアディティブ・マニュファクチャリング:1. レーザー照射、2. 粉末噴射、3. メルトプール、4. 積層材料、5. ワーク

3Dモデルのデータを基に、樹脂や金属などの材料を一層ずつ重ねていくアディティブ・マニュファクチャリングにおいて、光学検査による品質管理は欠かせません。

例えば、レーザー金属堆積法を使用した金属製品の製造工程では、ノズルから噴射される金属粉末をレーザーで溶融させながら、適切かつ正確に積層造形を行うため、ビジョンシステムを使用してメルトプール(溶融池)を監視します。

省スペースに特化したさまざまなビジョンソリューション

ビジョンシステムを使用してメルトプールを監視する場合、省スペースであることはもちろん、高速データ転送によるリアルタイムな撮影も求められます。そこでおすすめなのが、27mm×27mmのコンパクトなボディに加え、幅広いオプションを完備したGigE対応カメラモジュールdart Mです。

幅広いオプションを完備したdart M

今回の用途の場合、ソニー社製PregiusシリーズのIMX287(画素数:VGA、フレームレート:290fps)を搭載したモデルとフレキシブルフラットケーブル(15cm)、インターフェースボードを組み合わせるとよいでしょう。インターフェースボードを別途用意し、柔軟なケーブルで自由に向きを変えることで、狭いスペースにあるメルトプールも問題なく撮影できます。

GigE対応のRJ45ポートを搭載し、PoE(Power over Ethernet)ケーブル1本でカメラモジュールとホスト機器を接続できるなど、最大100mのケーブル長を活かした柔軟な取り回しが可能です。さらに、メルトプールの監視用途では、Sマウントレンズを使用して撮影を行いますが、dart Mであれば、レンズとレンズマウントを追加したとしても、外形寸法29mm×29mm、重量15gに収まるため、設置要件を十分に満たすことができます。

幅広いオプションを自由に選択

設置環境に応じてさまざまなオプションを選択できることも、dart Mの大きな特長です。

dart M IMX287搭載モデル

センサー

ソニー社製IMX287(画素数:VGA、フレームレート:290fps)をはじめ、幅広いソニー社製センサーを選択できます。
ケーブル長15cmのフレキシブルフラットケーブル

フレキシブルフラットケーブル

折り曲げ可能であることに加え、5cm・15cm・30cmの3種類の長さが用意されているため、カメラモジュールとインターフェースボードを柔軟に接続できます。
PoE対応のインターフェースボード

インターフェースボード

Gig対応のRJ45ポートを搭載し、標準的なイーサネットケーブルを利用可能です。PoE、または外部電源を介してカメラモジュールを運用できます。
Sマウントレンズ向けのレンズマウント

レンズマウント

Sマウント、CSマウント(IRカットフィルターなし)、CSマウント(IRカットフィルターあり)により、レンズとカメラモジュールを接続できます。

アディティブ・マニュファクチャリングにdart Mを活用するメリット

リアルタイムな撮影により、工程監視、欠陥検知、製造工程の各種調整をサポートするdart Mは、コンパクトなボディで設置スペースを問わないだけでなく、既存の機器をそのまま使用できるため、追加コストの削減においても大きなメリットがあります。

  • 撮影用途、システム構成、設置環境に応じてさまざまなオプションを組み合わせ可能

  • 各種ドライバーとAPIが付属したpylon Software Suiteにより、ハードウェアを素早く簡単にセットアップ

  • GigEならではの高速データ転送&リアルタイム性

  • ファクトリーオートメーション、物流、ロボット、医療、電子機器検査をはじめ、複数のカメラを運用する用途にも最適

使用製品

‍‍ご紹介したソリューションの導入には、以下‍の製品が最適です。

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