CNN搭載型細菌識別システム
CNNによる細菌識別の概要
がん、感染症などの科学研究や医療診断において、検体の分析に使用されている顕微鏡。コンボリューショナルニューラルネットワーク(CNN)を導入し、顕微鏡観察を自動化すれば、分析作業の精度向上や効率化につながります。Baslerでは、撮影に必要な機器をご提供するだけでなく、画像処理・解析、データ転送を含むシステム全体の開発も承っています。
細菌識別の課題
科学研究や医療診断に使用されるビジョンシステムでは、信頼性を確保するため、省スペース、高速、低コスト、高精度など厳しい要件が求められます。これらすべてを満たすには、レンズ、カメラ、ケーブル、プロセッシングボードを最適に組み合わせながら、CNN対応のシステムとソフトウェアを開発する必要がありました。
ソリューション:細菌識別における画像処理の活用
今回のデモ機は、検体に含まれる4種類の細菌を識別し、その精度(信頼性)をパーセントで表示することができます。開発に際しては、Baslerが豊富なノウハウを活用し、ハードウェアとソフトウェアを最適に組み合わせることで、コンピュータービジョンシステムとしてシームレスな運用を実現しました。
そのうち、ハードウェアにはSマウントレンズ(1/1.8インチ)、Basler dart USB 3.0対応モデル(5MP)、USB 3.0データケーブル、NVIDIA社製プロセッシングボードJetson™ Nanoが採用されています。
一方、ソフトウェアについては、各種Linuxアーキテクチャーに簡単に実装できるコヒーレントなシステムソフトウェアと、CNNを搭載したアプリケーションソフトウェアの2種類で構成しました。このアプリケーションソフトウェアは、事前に個別のデータセットを使用して学習させたCNNモデルに基づき、pylon AI分類ツールによる画像解析を実施したうえで、細菌の種類を特定する仕組みになっています。なお、CNNのデータ学習はホスト側、pylon AI分類ツール(エッジ処理向けに最適化済み)による推論(画像解析、結果生成)は機器側(エッジ側)で行われます。
CNN搭載型細菌識別システムのメリット
各構成機器のシームレスな接続・運用を実現
ハードウェアやソフトウェアをワンストップでご提供することで、開発にかかる労力・コスト・時間を削減
最適かつスムーズな画像取得・解析が可能
CNNモデルを自由に変更可能
エッジ処理向けに最適化されたpylon AI分類ツールを活用し、正確かつ迅速な物体分類を実現
使用製品
ご紹介したソリューションの導入には、以下の製品が最適です。