農産物検査向けSWIRビジョンシステム
短波長赤外帯域の画像処理による品質管理の向上
りんごやジャガイモなどの農産物検査では、規格基準への適合や顧客ニーズに合った品質の確保が求められます。しかし、外観観察を中心とする従来の検査手法には、時間がかかるうえに人的ミスも多いという課題がありました。以下では、Basler独自のSWIRビジョンシステムを活用し、短波長赤外帯域の画像処理を行うことで、農産物検査の品質管理を向上させる方法について解説します。
農産物検査におけるSWIRビジョンシステムの活用
SWIRビジョンシステムは、キズや汚染物質の検出をはじめ、幅広い農産物検査の効率化と精度向上に貢献しています。
隠れた物体まで鮮明に撮像
SWIR撮影を活用すれば、これまでにない品質管理が可能になります。
可視光撮影とSWIR撮影による情報収集
スーパーなどでたまにキズのあるりんごが並んでいることからわかる通り、外観観察を中心とする従来の検査手法は、時間がかかるうえに人的ミスも多いという課題がありました。しかし、可視光撮影だけでは、このような課題を解決するために必要な情報を収集できません。農産物の奥深くにある内部構造を把握するには、可視光撮影とSWIR撮影の両方に対応したビジョンシステムが求められます。
SWIRビジョンシステムの構築
SWIRビジョンシステムを構築するには、実際の用途と撮影条件を考慮したうえで、カメラ、レンズ、照明から光学フィルターに至るまで、短波長赤外帯域の撮像に対応した構成機器を揃える必要があります。
SWIRビジョンシステムの構成機器
可視光から短波長赤外帯域の撮像が可能なBasler ace 2 X visSWIRは、農産物検査の効率化に最適です。画像に示す通り、近赤外と短波長赤外を比較した場合、短波長赤外のほうがりんご内部の水分分布がはっきりと映ります。ただし、SWIRビジョンシステムを構築する場合、カメラだけでなく、以下の構成機器も慎重に選定しなければなりません。
ブロブ解析による不良検出
Baslerでは、上記のSWIR関連製品に加え、グレースケール値に基づいて画像内の暗い部分の特定・セグメンテーションを行うスマートな ブロブ解析 ツールもご提供しています。ブロブ解析により異物、糖度不足などの不良を検出し、必要な対策を講じれば、検査の大幅な効率化につながります。
Baslerでは、SWIR撮影に関する個別のご相談を承っています。用途に応じて最適なソリューションをご提案いたしますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
画素欠陥の自動補正
Basler ace 2 X visSWIRは、ピクセルのさらなる微細化・高画素化を実現したソニー社製SenSWIR技術搭載InGaAsセンサーを採用しているほか、産業用途のSWIR撮影によく見られる画素欠陥を防止する「ピクセル補正ビヨンド」機能を搭載しています。
ピクセル補正ビヨンド
画像データを動的に補間することで、InGaAsセンサー特有の画素欠陥を補正する機能です。画質が大幅に向上するため、スムーズな画像処理が可能になります。
また、この機能にはBasler独自のアルゴリズムが採用されており、取得画像に影響を与えることなく、カメラのFPGA上で画素欠陥を自動補正することができます。
農産物検査に最適なSWIRビジョンシステム
農産物検査の効率化と精度向上に貢献するSWIRビジョンシステム。その性能を最大限に活かし、不良の検出、選果、規格基準への適合確認などの作業工程を効率化すれば、一貫した品質の農産物を消費者に届けることができます。
メリット
最適に組み合わせられたシステム構成により、鮮明な撮像と正確な良否判定を実現
高度なアルゴリズムを採用することで、人的ミスを削減しながら、検査精度を向上
リアルタイムな画像解析に基づき、選果をはじめとする作業工程全体を効率化
使用製品
ご紹介したソリューションの導入には、以下の製品が最適です。