活用事例

尿沈渣検査におけるCNN搭載型ビジョンシステムの活用

Baslerが尿沈渣検査向けに開発したCNN搭載型ビジョンシステム

尿沈渣検査向けCNN搭載型エンベデッドビジョンシステムの概要

尿中の固形成分を顕微鏡で観察し、腎臓や泌尿器の疾患を診断する尿沈渣検査。しかし、従来の手作業では時間がかかり、人的ミスが発生するおそれもあるため、多くの臨床検査機関で自動化が進められています。性能、機能、設置スペースなどさまざまな要件が求められるなか、優れたコストパフォーマンスを誇るCNN搭載型のエンベデッドビジョンシステムが開発されました。

尿沈渣検査の課題

CNNの解析アルゴリズムを活用したエンベデッドビジョンシステムなら、コストを抑えながら、高速・高精度な検査を実現できます。しかし、そのためには豊富なノウハウを有する企業により、ハードウェアとソフトウェアを適切に組み合わせる必要がありました。

ソリューション:高精度かつ低価格なCNN搭載型ビジョンシステム

今回のデモ機は、高精度かつ低コストなCNN搭載型ビジョンシステムとして、尿沈渣検査における顕微鏡観察を自動化することが可能です。開発に際しては、Baslerが幅広い製品ラインナップを活かし、すべてのハードウェアとソフトウェアをワンストップで揃えました。

そのうち、ハードウェアにはdart MIPI対応BCON搭載モデル(カラー、5MP)、データケーブル、エンベデッドビジョンプロセッシングキットを採用。キットに含まれるプロセッシングボードは、BaslerがNXPセミコンダクターズ社製i.MX 8M Plusを使用して開発したもので、各種通信・制御を行う中央装置として、コンパクトでありながら、優れたコストパフォーマンスを実現しています。 カメラの設定や画像取得にはpylon Software Suite、デベイヤリング、ノイズ除去、関心領域(ROI)の設定、スケーリングなどの前処理にはdartに内蔵されている画像信号プロセッサー(ISP)を使用します。なお、dartにはISPなしのモデルもありますが、その場合は、エンベデッドビジョンプロセッシングキットに含まれるi.MX 8M PlusのISPで代替可能です。

また、i.MX 8M PlusにはCPUのほか、ハードウェアアクセラレーションによる高効率処理が可能なNPU(ニューラルプロセッシングユニット)も搭載されているため、負荷の大きい推論作業はNPU上で、情報出力、バウンディングボックスの表示、統計データの生成、尿沈渣成分の分類などの後処理についてはCPU上で行うようにしました。さらに、ソリューションの一環してpylonビューワーとpylon AIの物体認識ツール(NPU向けに最適化済み)も活用されており、高精度かつ効率的な画像解析はもちろん、プログラミングなしで設定データや保存したレシピを対象のアプリケーションソフトウェアにインポートすることも可能です。

尿沈渣検査向けCNN搭載型エンベデッドビジョンシステムのメリット

  • 必要なものがすべてセットになったエンベデッドビジョンプロセッシングキットをご提供

  • プロトタイプ開発・量産に最適なプロセッシングボードが付属

  • 豊富なノウハウを活かし、長期にわたる供給を確保しながら、優れたコストパフォーマンスを実現

  • pylon Software Suiteにより画像取得・処理・解析を効率化

  • pylon AIの物体認識ツールを活用し、幅広い尿沈渣成分の計量・特定を実現

使用製品

‍‍ご紹介したソリューションの導入には、以下‍の製品が最適です。

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